自治体でのIP無線ソリューションの活用事例
消防団の連絡手段にドコモビジネストランシーバを導入
- 不感地帯を大幅に解消(市内全域を通話可能エリアに)
- 低コストで防災行政無線(移動局)の更新を実現
- 発展性(位置管理システム)
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課題国の方針に対応するため、従来の自営の防災情報システム(60MHzアナログ)は移行が必要となっていた。
しかし、新たな無線設備の新設にはコストがかかる。
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解決策消防団が使っていた無線機の後継機にドコモビジネストランシーバを導入。消防車両用、消防団員の携帯用の2種を導入した。
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評価音質はクリアになり、遠い地区の消防団同士でも聞こえるようになった。また、不感地帯の多くが解消した。自営で無線設備を新設する必要がなくコストを抑えることができた。
背景
危機管理係
係長 岩井 一浩 様
自営設備の防災情報システム(60MHzアナログ)は、国の方針に対応するためデジタル方式への移行を決めました。しかし、当市が選んだ280MHz帯では、従来運用していたように同報系の基地局を移動式無線システムにも活用することはできないとわかりました。
災害対策を迅速に行ううえで移動式無線システムの更新にも高い必要性を感じていましたので、当市では別の方法で移動式無線システムを整備することにしました。(岩井 様)
経過
危機管理係(消防団事務)
今井 嵐丸 様
今までの移動式無線システムは、災害発生場所が基地局のある庁舎から遠い距離にあったり、山間部だったりする場合は、電波が届きにくくなることがありました。この課題を後継機では解消したいと考えました。
後継機の調査を進めたところ、つながりにくさの解消や安定性、導入コストの点などからドコモビジネストランシーバを導入することになりました。(今井 様)
導入効果 今後の展開
スマートウェーブのIP無線機(ドコモビジネストランシーバ)の導入により、以前の無線機に比べて「遠い地区の消防団同士でも良く聞こえる。音質はクリアになった。」と消防団員の現場からも好評です。また、携帯型のIP無線機SK-5000は従来よりも小型である点も良いと思っております(今井 様)
今後、GPSを活用した位置管理システムにも期待しています。消防団員や職員の位置がリアルタイムで把握できれば、災害状況に応じた適確な指示を現場に出すことができるようになるからです。
また、災害報告を受けた危険箇所の位置も明確に掌握できるようになります。機動力の高い対応を可能とするためには、正確な情報把握が何よりも大切となるからです。(岩井 様)
システム構成
富岡市様での事例から、自治体の防災対応業務におけるスマートウェーブのIP無線ソリューションの導入効果を、以下の3点で説明させていただきます。
不感地帯を大幅に解消(市内全域を通話可能エリアに)
NTTドコモの通信網を使うことにより市民生活の大部分のエリアで通話が可能となります。IP無線機は無線機間の距離の依存が無く、遠い地区の消防団同士でもクリアに通話が可能となります。富岡市様では、各職員が持つ携帯電話で市内各地の受信状態を調べた結果、最も不感地帯が少ないキャリアとしてNTTドコモを導入されました。またNTTドコモならば、万一の際にも早急な現場復旧が行われることも期待されています。
低コストで防災無線(移動局)の更新を実現
防災行政無線(移動局)の新設備を自営で構築・維持するには多くの予算が必要となります。しかし、NTTドコモの通信網を利用するIP無線システムであれば自営の無線設備の新設を行う必要がないためコストを抑えることができます。 また、IP無線機SK-5000は、落下性能・防水性能が高い頑丈設計となっております。富岡市様でも、防災現場での利用に適する小型で頑丈設計であることに好評価をいただきました。発展性(位置管理システム)
専用PC一式程度の費用で位置管理システムを容易に追加導入することも可能です。このシステムの導入により消防団員や職員の活動状況が15秒毎のリアルタイムに地図上で把握できます。迅速な誘導や危険回避の連絡も可能となります。なお、NTTドコモの通信網だけで構築できるシステムであるため(閉域網)、インターネットや専用線などへの依存が無くセキュリティや事業継続性の点でも安心感が高いシステムとなります。