交通機関におけるIP無線ソリューションの活用事例
全バスの位置と状態を「見える化」 さらに本局での一元管理も実現
- 不感地帯の発生を長期的に解消
- 全車両の位置をリアルタイムに把握
- 迅速な安否確認も可能(タッチパネル活用)
さらに本局で全バスの状態把握もできるようになりました。
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課題従来の無線機は高層ビル等の建設に伴い不感地帯が増加しつつあった。また迅速に安否確認ができる仕組みも必要でした。
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解決策IP無線機とタッチパネルシステムをバスに設置。また、動態管理システムを全営業所と本局に導入しました。
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評価不感地帯は解消。バスの位置や状態もリアルタイムに把握できるようになりました。
安否確認も非常に迅速に行えるようになりました。
背景
自動車部 営業課 運行管理担当
直井 晋一 様
東京都交通局様は約1500台のバスを運行し、首都東京の社会インフラの一翼としてのサービスを提供しております。そして、円滑なバスの運行を実現していくために無線機は欠かせない装備です。
しかし、東京都交通局の直井晋一様は、「従来の無線機は高層ビルの増加に伴って不感地帯が増加しつつあり課題となっていました。」と、無線システム更新の必要性を感じておられました。また、「バスからの呼び出しがあった際に営業所は、現在位置の確認を都度、通話で行う必要がありました。」(直井様)と、バスの位置を迅速に把握するシステムの必要性も感じておられました。
このようにバスの運行をより円滑にサポートしていくために、従来の無線機の課題を解決する必要がありました。さらに、緊急時の安否確認も乗務員と営業所の間で通話による確認作業を行っていたため、全バスの安否確認完了には時間がかかり、迅速性が求められる緊急時の課題となっておりました。
経過
東京都交通局様は、2020年春に、都営バスの無線機をIP無線機とこれと連動するタッチパネルに更新して、すべてのバスに一斉導入しました。また。さらに動態管理システムの導入も同時に実施しました。
これにより、今までの課題は解決し、迅速かつ円滑にバス乗務員と営業所のコミュニケーションが取れるようになりました。「NTTドコモの携帯電話の通話エリアを利用しているため、不感地帯は解消しました。近年増加している再開発地区ビル低層階に組み込まれたバスターミナルの中でも、問題なく通話できるようになりました。」(直井様)との評価をいただいております。
システム構成
都営バス様での事例から、路線バスの業務におけるスマートウェーブのIP無線ソリューションの導入効果を、以下の3点で説明させていただきます。
不感地帯の発生を長期的に解消
IP無線機の導入により不感地帯が解消しました。路線バスの営業エリアとNTTドコモの携帯電話の通話エリアは重なるため、不感地帯の大幅解消が実現できるようになります。今後も高層ビル建設などによる不感地帯の新規発生を心配する必要もなくなりました。全車両の位置をリアルタイムに把握
リアルタイムに全車両の位置を地図と車両一覧の2種の画面上で把握できるため、乗務員、運行管理者、双方の負担が軽くなりました。運行管理者は、地図表示の画面上でバスの位置をリアルタイム(15秒更新+通話時にも更新)に確認できるようになりました。また、車両の状態を色別に一覧表示できる画面で全車両の状態を網羅的に漏れなく把握できるようにもなりました。
迅速な安否確認も可能(タッチパネル活用)
IP無線機に接続されたタッチパネルの操作によって安否確認の報告が迅速に完了できるようになりました。乗務員はタッチパネルの操作によって任意のタイミングで回答ができるため、以前のような運行管理者との通話連絡の順番待ちが無くなりました。運行管理者も一覧表示で漏れなく報告状況を把握できるようになりました。漏れなく迅速な安否確認が実現できる仕組みで、乗務員、運行管理者、双方の負荷も軽くなりました。
現場からも無線機を切り替えた効果が寄せられています。「通話先車号選択時と着信時に、地図画面上の中心に対象車両がそれぞれ自動で表示される機能が好評です。」(直井様)とのことでした。このようにIP無線機と動態管理システムを導入することで、東京都交通局様は、都営バスを利用する方々の信頼に応えるシステムの更新を実施されました。
さらに「タッチパネルは安否確認だけではなく、拡張性もあるので、他にも活用方法を検討したい。」(直井様)と、今後の発展が可能なことにも期待を寄せていただいております。
販売店のご紹介
田中電気株式会社様約1500台もの多数の車両の無線機の更新作業を短期間に一気に行った田中電気様の施工能力の高さは、お客様(東京都交通局)より高い評価をいただいております。
また、新型無線機の操作説明会を「説明ビデオ」を製作して全営業者で実施。円滑な導入サポートを実施されたことも、お客様から高く評価をいただいておりました。
放送・通信エンジニアリング事業部
課長 田鍋 明 様